ハラスメントと思考のクセ・ワナ
前回、ハラスメントの起こる環境と虐待の起こる環境は似通っているという風に書きました。
今回は環境要因とは別の個別の要因について考えてみたいと思います。
人の行動は“思考”によって起こります。ハラスメントが起こる要因にも思考があり、驚く事にこれも虐待のメカニズムと酷似しています。
例を挙げると、「レッテルを貼る」・「~すべきと考える」このような思考があると、自分自身が正しいという意識が強くなり、そこに沿わない人に対しておそらくおおらかに接する事は難しくなります。
これらの思考は思考のクセ(自動思考)により導かれる傾向があるため、自分でも気づかないうちに状況 → 思考 → 感情 → 行動 に至っている可能性があるので要注意です。
また一方が優越的な関係に立っている点もハラスメントが起きやすい環境にあるという事を十分注意しなければいけません。
利用者支援においても「(私は)支援をしている」というごくごく、当たり前に感じる感情も実は知らぬうちに優越的立場に立ってしまっている可能性があるので要注意です。支援する側、される側という関係ではなく、対等な立場でお互い同じ人間同士として存在するという事、自分自身もご利用者から多くの学びを得させてもらっているという真摯な姿勢がとても重要です。
職場の部下や後輩に対しても、人として尊重し、何か問題があった場合にも自分の立場として何か反省すべき点はないか真摯に振り返る事が上記した優越性や自動思考のワナに陥らないためのポイントだと思います。