意思決定支援
意思決定支援は近年、障害福祉の中でさかんに言われるようになって来たキーワードです。
しかし、まだまだどの事業者や法人でもどのようにすべきか、あるいは考えるできか戸惑いもみられているように思えます。これは日本の障害福祉の事情にもよると思いますが、①事業所に安全配慮義務があること ②事故等に対して予見可能性が問われること ③元々日本の障害福祉の概念として「障害者は守るべき存在である」という発想があること ④意思決定 = 本人のやりたいようにやってもらう =ネグレクト?(支援放棄?)とう可能性が生じること 等々があるのではないかと感じます。
意思決定支援を行う上で大切だと思う心構えとして感じるのはまず最初に当たり前かも知れませんが、サービスを提供する側と受ける側が“対等”であることです。「事業所とご利用者、職員とご利用者が常に対等であること」=「権利擁護」が基盤になりますし、これがなければ意思決定支援もそもそも成り立たないと思います。
そして、対等であること =「権利擁護」とは当然事業所としても事業所としての「お願いやルールはしっかり守って下さい」ときちんと伝えられることだと思います。我々の生活を振り返っても私たちは利用者としてサービスを利用する時にそこのお店のルールを守ります。そしてお店側も顧客としてきちんと対応するのが基本です。このことがこと福祉サービスになると双方がなあなあ(多くの場合事業所側ですが・・・)になってしまう事が少なくありません。
互いの関係性の中で「当たり前のことを当たり前に」粛々とやる事が権利擁護や意思決定支援ではないかと考えます。障害のある利用者だからこそ、様々な配慮は必要です。ただ基本になるのは「対等の関係」、「他者に対して行う当たり前のことを当たり前に行う」です。
それはほんのささいな事から始まります。ご利用者への「あいさつ」や「許可を得る事」、「断りをいれること」、「事前に説明すること」このように対等な関係と当たり前のこときちんと行われる関係性、相手を一人の人間として大切に思う関係性の中で意思決定支援は自然に育まれていくものではないかと思います。