知的障害のある方について
知的障害のある方でも生涯学習をし続ける事はとても大切な事であり、それらの学習や経験を通じて人は成長出来ます。
つまり知的レベルは5歳程度の年齢40歳の知的障害のある方は健常児の5歳とは生活スキルや経験において当然ながら違うという事です。
年齢40歳の知的レベル5歳程度の知的障害者は言い換えれば、40歳の経験をした5歳児とも言えます。ですので、例え知的障害があっても多くの事を経験しながら学びそれを通じて生活スキルを上げていく事が出来ます。
しかし、実際には知的障害者があるが故に社会経験が乏しかったり、誤学習(母親に暴力を振るうと自分の望みが叶ってきた経験・体験等)をして育ってきてしまった場合には非常に修正が困難になることも事実です。この事からも早期治療・療育・教育の大切さがわかります。たとえ知的障害があっても経験・体験によりその人の生活スキルは向上できるという事を頭に入れながら支援計画を構築していくことは自立に向けての大切なポイントになると思います。
次に重要なことは日本の知的障害者が0.45%程度しかいないという事実です。
通常、他の先進国では2%前後いる知的障害者が日本では認定を受けず、多くの軽度の知的障害の方が一般社会で生活されていると考えられます。
あるデータによれば引きこもりの6割に何らかの障害が疑われたり、刑務所の受刑者の3~4割程度に知的障害が疑われるケースもあります。また風俗などで働いている女性の内、少なくない数に知的障害があるのではないかとも言われています。
これは決して知的障害のある方が引きこもりや軽犯罪者あるいは風俗で働きやすいという事ではなく、障害が気づかれずに知らず知らずの内に社会の負の部分に巻き込まれて行ってしまっているという事だと思います。申請主義の日本の福祉制度では軽度やグレーゾーンと言われる方は福祉に結びつきにくい現状があります。福祉と結びつくことなく、障害があるが故の生きづらさを抱え社会からドロップアウトしてしまう人の存在はこれから益々クローズアップされていくと感じますし、解決していくべき課題でもあります。