業界人、業界知らず
「業界人、業界知らず」という言葉があります。(耳の痛い話ですが・・・)
「その業界にいる人は(業界の常識に知らない間に縛られて)実は本当のニーズを理解していない」という意味です。
福祉業界に属する我々もやもするとこの言葉に当てはまってしまう人間になりかねないので注意が必要です。その意味である研修の講師が言われた「本人の生活は今より良くなったか?」(サービスを提供したにも関わらず、本人のQOLがもし向上していなければそれは問題)の言葉は本当に考えさせられるものがありました。
時として私たち、業界人は”サービスを提供しさえすれば”自分の役割は終わり、あるいは目的は果たされていると思ってしまいがちです。しかし、そこに問題があって実は在宅から入所された場合、本人のQOLが下がっているケースも少なからずあるはずです。この事に気づく、気づかないのは大きな違いで、本当に注意が必要だと思います。
当然、施設にはハード・ソフトと共に”制限”や”難しいこと”もあります。ただし、この「業界人、業界知らず」の言葉を忘れずに「本当にサービスを提供してこのご利用者のQOLは向上したのか?」というシンプルな問いを支援者として胸の中に抱いておくことは大切な姿勢だと改めて感じます。
そのような意味で、新しい普賢学園の施設はQOLの向上という観点では大きなバックアップになることは間違いありません。
入所施設が持つ安全性や専門性を維持しつつグループホームのような快適性と個別性が加わる施設だからです。
少人数の生活になり、住まいにキッチンや洗濯機が身近にあることで将来のグループホームへの移行も見据えた支援もよりしやすい環境になります。
ハードは素晴らしいものが出来たので、次は我々自身が福祉の枠だけにとらわれない柔軟な発想で、「本人にとってのQOLの向上は何か」に着目し、様々なチャレンジをしていくことでより良い施設に必ずなれると確信しています。