相談支援事業について
ちょっとだけ、これまでの欧米や日本の障害者支援の背景に触れたいと思います。
日本の福祉のスタートは民間の方々が私財を投げうって社会から障害者を守るために”施設”をつくり、その中で支援を行いました。
反対には欧米の視点は”障害者から社会を守るために”施設をつくり、そこで支援を行いました。
実は全然出発点が違います。
ですので施設に対するのイメージも違います。
例えば、欧米でいわゆる入所施設といえば、1,000~5,000人規模の超大規模入所施設の事ですが、日本の大規模入所施設といってもせいぜい数百人程度で、多くは50人以下の施設がほとんどです。
この双方の歴史の違いを把握しておかないと、国に頼ることなく自らの手で福祉制度を切り開いてきた先人たちの想いや思想を感じ取れなくなる危険があるので注意が必要だと感じます。
実感として、相談支援事業所の機能はまだまだ発展途上だと感じます。
それは相談支援の現場から制度に対する意見や行政に対する福祉施策についての意見をほとんど聞いた事がないからです。
また福祉サービス事業所に対する顧客のニーズ等もほとんど聞きません。
相談支援は複雑化する福祉サービスと利用者の橋渡し役です。であればこそ、(ご利用者のニーズを最も身近に知る立場であるからこそ)もっと利用者のニーズや想いをどんどん行政や事業所にぶつけても良い気がします。特に地域によってはサービスの量に偏りがあったりしますのでなおの事です。
支援体制をコーディネートし、それぞれの資源をマネジメントする機能が相談支援事業所にはありますが、支援の困難な方を社会資源につないでいくのは大変な場面もあるかもしれません。また、福祉だけでなく、医療や司法とも連携しながら解決すべき課題もあります。
そう考えると相談支援に求められているものは非常に奥が深く、未来の障害福祉のために大切な役割があると感じます。