”老い”という身体機能や認知機能が低減していく中で、支援の”先”に何を設定していくかがとても重要ではないかと考えます。
つまり、どんな目的や目標のための支援かという点を明確にしておかないと”支援のための支援”になり、ご利用者はもちろん、支援者もとてもしんどい思いをしてしまうのではと危惧してしまいます。
自立支援介護を全国で展開しているポラリスは目標設定を非常に大切にされています。日々の自立支援は本人にとっても、支援者にとっても大変な場面もあります。その時に、支援の先にある目標があるから頑張れる事が多いそうです。当初は自立支援介護に興味を示さなかったご利用者も目標設定が明確になると大きく変わり、自発的に支援を受けられるようです。「娘のバージンロードを一緒に歩く」や「高尾山に登る」などの目標を掲げ歩けるようになったとの事例を拝見させてもらいました。
健常者に関しては目標の設定やその目標に向けての共感を得る事は比較的難しい事ではないかもしれません。しかし、知的障害のある方は認知機能のレベル的に目標を設定する事や共感を得る事事態に高いハードルがあると言わざる得ません。
だからこそ、知的障害者の高齢期の生活課題の克服にはやはり若いころからの”好きや強みを活かした”運動・睡眠・食事のバランスのとれた生活スタイルの確立や高齢期を見据えて前倒しで考えうる想定を事前に行い先手先手で対応していく事、本人の歴史をアセスメントし高齢期の支援に活かしていくなどの将来を見据えた息の長い準備が必要になると感じます。