「知的障害者の老い」、これは入所施設にとって非常に大切テーマです。最近では入所施設でも高齢化が進み、中には平均年齢65歳という施設もあります。(ちなみに普賢学園は46歳前後。R4年1月現在)
全国的に高齢知的障害者の支援が課題になっており、障害福祉分野でも研究のテーマになっています。
高齢知的障害者支援で特有な点は認知機能や身体面の急激な衰え、長年の生活習慣や向精神薬の服薬の影響などが挙げられます。
健常者に比べ、中軽度者で10歳程度、重度最重度者で20歳前後”老い”のスピードが早いと言われています。またダウン症の方は年齢×1.5倍老いのスピードが早いそうです。このような状況の中、私たち支援者ができる事は①食事、睡眠、排泄、運動のバランスを整えること ②認知機能の低下に合わせた生活環境面(他施設への転居も含む)への配慮を行う事 ③病気の早期発見、ケガの重篤化を防ぐ対応対策を検討する 事が重要ではないかと考えます。
また、老いのスピードを少しでも遅く、いつまでも健康でいる事ができる様に中年期までには健康的な生活スタイルの確立や日々の生活の中で自分でできる事を増やし日常的に自身で様々な事を行うようにしておくこと、可能な限り精神薬などを減薬していくことも大切な事だと感じます。