福祉用語の解説⑰ ~ 福祉の基本理念 ~
今回は福祉用語の解説⑰と題して、『福祉の基本理念』について書きたいと思います。
福祉の基本理念と一言で言ってもその幅は広く、様々な視点でとらえる事が出来ますが、今回は
”ウェルフェア = Welfare"と”ウェルビーイング = Well-being"についてです。
この言葉は非常に似ているのですが、違いがあります。
ウェルフェアは福祉とも訳されるますが、社会的弱者や生活困窮者に対して、救貧的・慈恵的・恩恵的な保護を
中心としたサービスという意味合いを深く含んでいます。
(訳語の福祉にもちろん上記の意味もありますが、より幅が広い”社会全体の幸福、幸福な状態”という意味もあります。)
ウェルビーイングには広くすべての人々の権利を尊重し、自己実現を社会的に保証するという意味合いを含んでいます。
前回の福祉用語の解説にもつながるところですが、医学モデルか社会モデルかに通じる違いがあります。
ウェルフェアは困窮に対して直接的に働きかける、医学モデル的な要素が強い考え方とも言えます。
またウェルビーイングはより良くあるために、障壁となっているものを改善していこうという社会モデル的な要素が強い考え方になると思います。
双方ともとても重要な考え方ですが、ウェルビーイングの方がより包括的な考え方と言えると思います。
福祉と一言で言っても奥が深い考え方です。
『人間の幸せとは何か?』
を考え、追求し、実行し、可能な限り実現させていく事が我々、社会福祉家のやりがいであり、面白さでもあります。
そのためには、幅広い知識や経験・体験は欠かせません。
もちろん”福祉”に関わるだ知識・経験・体験だけではなくです。
むしろ福祉とは畑違いの経験・体験・知識が実は以外に多く役に立つことが多いように感じます。
なぜなら福祉とは人の営みであり、人の営み関する事はすべて福祉に通じているからです。
という事はすべての人は”福祉”とは無関係ではいれません。
どこかで誰しもがつながっているのです。
無関係だと感じる人はただ単に”気づいていない”だけかも知れません。
色んな視点、多様な視点で物事を見ていくと意外な所にヒントがたくさんあります。
それが自分の隣にいる人や自分自身のウェルフェアやウェルビーイングにつながる事はいつでも、どこでもああり得る事だと思います。