福祉の仕事は本当に3Kなのか?考える。
最近はあまり聞かなくなりましたが、以前はよく福祉の仕事は3Kと言われる事が多くありました。
でもこれは果たして本当なのだろうか??と思います。
3Kとはきつい・きたない・危険の頭文字をとった言葉だと言われています。
日本の福祉は元々、篤志家が私財を投げうって社会的な救済が必要な人に対して手を差し伸べたのが最初です。
(世界の福祉は教会や行政、医療が中心です。この”個人が私財を投げうって”という日本特有の福祉の始まりが素晴らしいと思いませんか!?)
ですので、”損得”度外視でとにかく、その人のために!という思いでスタートした日本の福祉ですので、ワークライフバランスなんて観点は当初もちろんなかったと思います。
あったのはワークアズライフ(人生としての仕事)です。
日本の福祉の発展期を支えられた糸賀一雄先生、池田太郎の著書を読むと、当時の福祉の仕事というものの世界観が伝わってきます。
そして、我が郷土長崎県の著名な福祉課である近藤原理先生のそれもまさに同じスピリットを感じます。
時代は流れ、措置から福祉はサービスへとなりました。
それは福祉がワークアズライフの時代から、ワークライフバランスへの時代に変化していった時代でもあったのではないかと思います。
その過程や制度変化の中で、福祉のあり方・寄り添うというスピリットが置いてけぼりにされ、仕事の中身だけがいわゆる3Kというように捉えられていってしまったのではないかと勝手に仮定してしまいます。
福祉がサービスになり、約20年。両面の意味において福祉は変わりました。
国による処遇改善の実施や労働環境の変化により3Kの概念はほぼ当てはまらない職場であり、仕事に確実に変化しています。
私は他業界から福祉に転身した身ですが、福祉の仕事は3Kとは全く思いません。
むしろ労働時間もメリハリがあり、処遇も充実して、有給や休暇も取りやすいとても働きやすい職場だと常々感じます。
さらにこれからは福祉の世界にはICTやロボットが導入され、より3Kに程遠い職場・業界に変貌していく事でしょう。
しかし、3Kから程遠い”いい職場”・”働きやすい環境”を作っていくのはそれ自体が”目的”では決してありません。
真の目的は”ご利用者の支援の質向上とBOL(豊かな人生)のため”に他なりません。
この真の目的のために法人としても、これからさらに”働きやすい環境”、”職場づくり”に邁進していこうという想いです。
そしてそれと同時に、福祉の先人達や創設者が身を粉にして取り組んだスピリットもしっかり受け継いでいくべき時代の転換点でもあると強く感じています。