福祉用語の解説⑨ ~ 愛着(アタッチメント) ~
福祉用語の解説⑨は『愛着(アタッチメント)』について書きたいと思います。
愛着とはその人の人間性を構築する上で非常に大切な要素です。
主に親や養育者との間に芽生える特別な情緒的な結びつきを『愛着』と言います。
例えば、赤ちゃんに見られる人見知りや母親がお部屋から出て行こうとすると泣き出すなどの行動は愛着形成がされている結果だとも言われています。
愛着が上手く形成されないと自己肯定感が育まれず、承認欲求が極度に強かったり、自己肯定感が極端に低かったりなど影響が出て来る可能性が高くなります。
自己肯定感の低さは適切な人間関係を築く事を困難にし、保護者や養育者に対して愛情や支援を求めなくなる反応性アタッチメント障害や初対面であっても何の警戒心を持たず過度に馴れ馴れしい態度をとってしまう脱抑制型対人交流障害が生じる可能性があります。
またアタッチメントの形成において不適切な養育(マルトリートメント)との関係性が顕著に指摘されており、児童虐待等は大きな問題になっています。
愛着形成はその人がより良い人間関係を構築、維持していく上で基本的な礎になるものです。
愛着形成において基本となるものは「母性愛」・「父性愛」です。
この二つをしっかりとバランスを取りながら、たくさん注ぐことが要点です。
たくさんお子さんを抱きしめてあげて下さい。
抱きしめて、「お母さん(お父さん)の子どもに生まれて来てくれてありがとう。」と伝えて下さい。
子ども話に耳を傾けてあげて下さい。
ダメな事はしっかりと伝えて下さい。その時は本人を否定するいい方ではなく、本人の行動を評価する伝え方をして下さい。
子どもは親や養育者の関わりの中で持てる命を芽生えさせていきます。そのような能力があります。
ぜひその生きる力を引き出してあげて下さい。