豊かさ
豊かさとは何か?について考えさせられる事がありました。
昔は町中にたくさん映画館があり、映画の3本立て等の上映が良くあったらしいです。
3本立て!時間にして5~6時間でしょうか・・・。
今の感覚からするととても考えられない、時間の使い方です。
昔に比べて、現在の生活はよほど、快適になっているはずです。お風呂・洗濯・炊飯はボタン一つで終わります。
昔はこれを薪をくべて、手洗いで、釜を見ながら、やっていたと思うと凄まじいほどの”時短”につながっています。
掃除だって、掃除機・ルンバがあります。ほうきでやるよりも格段にスピーディーになっているはずです。
調理器具も電子レンジなどをはじめ、時短になっているものはたくさんあります。
またコンビニや外食、食品保存技術の進化によって”食の準備”にも時間がかかる事が昔に比べれば格段に少なくなっているに違いありません。
これだけ、便利にスピーディーに何事も出来るようになって来て、さぞかし我々の生活はゆとりのある、豊かなものになったのだろうか、そう問われると正直”?”と言わざるを得ません。
便利になればなるほど、何かせわしくなっているような気さえしてきます。不思議なものです。本来なら、日々の生活の”やらないといけない事”の時間が短縮された分、我々は心と時間に余裕を持って生きているはずです。
映画3本立て。この商売が成り立つ背景にはそのようなニーズがたくさんあったという事です。そのニーズを生む背景には時間的なゆとりを生む”精神的なゆとりや豊かさ”がきっとあったのではないかと思います。
心に響いた言葉があります。「映画一本見るのには2時間ぐらい時間がかかる。当然仕事が忙しい時には見れないと思う。でもそのようにぼーっと2時間の映画が見れるような生活(=豊かな時間)を持つ事が出来ているかどうかは自分の豊かさのバロメーターとして持っておくべき」という言葉です。
もちろん、映画だけでなく、音楽、運動、ウォーキング、読書、趣味などなんでもいいと思います。何かを忘れて心に栄養を与える事が出来る時間を1日の中で持つ事はとても大切という話です。
普賢学園の支援のテーマの一つは”豊さとは何か?”です。様々な切り口があると思いますし、人それぞれ当然違います。福祉のミッションの一つは人間の豊かさの追求であると考えます。
そのためにはまず私たち自身が豊な生活をイメージし、経験していく事が大切です。ご利用者と共に我々の人生も共に豊かになっていくというイメージです。
毎日の支援の中で、人が人らしく、豊かに楽しく生きていく事を日々考え、形にしていきたいと思います。