照子さん
ある番組を見ました。
熊本の認知症の方の介護に力を入れているグループホームでの話。
その中に出てくる、重度の認知症の女性「照子さん」。高齢で重度の認知症のある女性です。
グループホームで生活する照子さんは認知症に伴うBPSD(周辺症状)である、人を叩く・唾はき・奇声・興奮が非常に強く出ていました。
しかし、ここのグループホームの職員さんは少しでも照子さんの不安を解消したいと、チームでアセスメントをし、介護の方法を検討していきます。そしてそれを実直に実行します。。。
興奮症状が収まらなかった照子さん、統一された介護や職員の皆さんの努力の甲斐あり、なんと番組の後半ではにこやかに食事をし、お皿洗いまで手伝いをされるように変化されました。目を見張る変化です。
こういう番組や事例を見るたびに「福祉って、人間って素晴らしい」と心の底から思います。
我々支援者が学び、チームとして方向性を示し、統一した支援を実施する。すなわち”支援者が変わる事”で劇的にご利用者が変化される事は珍しくありません。私たちも支援の中でそのような事を何度か体験して来ました。
実は支援も介護も特別な事は必要ない気がします。ご利用者に注がれる支援者の関心と興味の眼差しが暖かく向けられるだけで人は大きく変化していく可能性を皆さん持たれています。
最近思います。当たり前かも知れませんが、介護も支援も保育も詰まる所、エンパワメント(=その人の力をいかに引き出すか)に尽きると。そしてその人の力を引き出すには”暖かいまなざし”以外にはないのではないかと。
福祉を通じて、一人一人の人たちが自分の力を発揮できる社会の一旦を担えるよう、努力していきたいと思います。