• らくらす浅野施設長インタビュー

トップ画像
気付けば介護業界にて30年近く経過しました。風花会は4社目で9年目となります。
まずは私が経験した他社でのお話を先に少しですがお伝えさせていただきます。

1社目は小規模な知的障害者施設に勤めました。組織体制としては、家族経営でトップダウン体制が強い面がある施設でした。今思えば、一生懸命に組織を創ろうとされた結果だったのだと思います。福祉業界に入り、若く知識や経験も浅い私はご利用者の支援内容や他職員との協働等について悩みながら、ただただ無力であったことを覚えています。
2社目は老健にて介護職員として働きました。ここで利用者様との対話や夜勤も含めた介護の仕事内容等の基盤が出来たと思っています。同時に、「職員が辞めない職場は?」「ご利用者への本当のケアとは?」という課題が出てきた時期でもありました。
3社目は社会福祉法人の居宅介護支援事業所にて管理者とケアマネを経験しました。ここで施設内ではなく、行政や外部事業所等とのやり取りやご家族も含めた対人援助について学びました。一番大きかったことは、管理者として初めてはっきりと人の上に立つ経験をしたことでした。人の上に立つことの難しさと管理する責任、自分の人間的な総合力の無さを実感した場所でした。

4社目が現在在籍している風花会となります。
様々な福祉事業を行っている風花会ですが、私が管轄させて頂いている場所は施設「ハイコート浅野」となり、2つの施設、デイサービス、ヘルパーステーション、ケアマネ事業所があります。統括マネージャー兼居宅管理者として入職し4年目に施設長となりました。
風花会へ入社当初、私も含めた全員が取組むべき根本的な内容やその方法について分からない部分が多く、組織として不十分な体制であったことを覚えています。
当初は強い職員がルールとなり行動が決まっていた形であり、組織の中に、仲が良い者同士の小集団がいくつかある状態でした。福祉の職場ではよくある状況かもしれません。
施設長のお話をいただいた時は正直とてもプレッシャーに感じました。ただ、以前から自分の中にあった「職員が辞めない組織創り」「ご利用者への本質的な支援ができる組織創り」という課題に施設長として取り組むことに対するモチベーションはありましたので、それに理解賛同してくれた統括マネージャーを中心とした役職者に対し、ビジョンを含めた共有と取り組む内容への理解・協働を求めることから始めました。
強い職員やグループがルールとなっていた状態から、「目的を持った組織」であることを理解してもらう為に、それぞれの仕事の責任、責務、権限、役職者同士の目的・言動の一致、職員教育、接遇・面談ガイドラインなどを整理し、共通認識を持つことへの理解の為の努力を続けました。同時に、それぞれの職員や上司等、各々が担当している業務や責務等へのお互いの理解不足が見られ、互いに対する敬意や尊重が足りていない状態でしたので、施設長も含めた役職の内容や職種別の仕事内容、必要とする視点・スキル・人間力等について極力可視化することで、それぞれの役職や職種への理解、社会人・組織人としての理解が深まり、それぞれに対する敬意や尊重が徐々に生まれた気がします。

今までの経験から、「母性だけでは腐り、父性だけでは枯れる」といった感覚があり、厳しさの無い組織は、気付かない内に保身的な職員を育て、変化を恐れるようになり、状況に合わせた柔軟な対応ができなくなるという考えがありましたので、役職者等の協力を得ながらなんとか周知できたように思います。
職場は残念ながら、気の合う数名の友人で運営できる程あまくはない為、不完全な者同士であることを理解することから始め変化に対応しながらも且つ長く継続していけるだけの柔軟性とある程度の深さのある理解を持った同志の集まりへと進むことが好ましいと思います。その関係の中には友達の関係よりも得るものがあるのかもしれません。

今迄、施設長として0から1を創る苦しさもありましたが、それは楽しさでもありました。職員と模索しながら改革が進み、考え方や取り組み方が変わっていくことがとても楽しく感じました。考えを共にし、協働、共創してくれた職場の同志に感謝いたします。
ただ私の気付き、失敗、修正点が2点程あります。一つは、もう少し職員一人ひとりに着目し、対話し、意見を反映する形をとることができれば、もっと職員の自主性と可能性を伸ばすことができたのではないかと思ったこと。そしてもう一つは、自分が率先して行動してきたことで、同様に他者の経験、学ぶ機会を奪っていたのではないかということです。
「無駄な揉め合いが少なく、きちんと運営できる組織」を創ることに一人焦っていたのかもしれません。私はもう少し勇気も持って同志に頼れたのではないかと思います。

現在では、次の段階のビジョンとして、「社会性のある厳しい組織」であることを認めた上で、「人間性を失わない為のチーム創り」という一見相反するもの含んだ組織を職員と共に葛藤しながら創っていければよいなと思っています。「社会性と人間性」、言い換えるとこれも「父性と母性」なのかもしれません。どちらも大切な項目であり、偏り過ぎると本当に知らず知らずの間に組織のバランスが崩れるのだと思います。
このバランスの模索は今でも続いています。
これから先、職員自身が自主的に「何故なのか」について考え行動することができ、自律的に「どうすれば」他者と協働することができるのかについて獲得していき、風花会を含めたどの職場でも通用する自信と自律心、そして行動力を持てるようになり、そのような職員からも選ばれる風花会であればよいなと思います。
私も含め不完全な者同士であることを認めた上で、それに甘え過ぎず、お互いに変化・進歩していける関係を築ければ、きっとご利用者へのケアは本質的なものになるのでしょう。

風花会は話を聞いてくれる環境・風土があり、成長の度合いに応じて裁量権も生まれ、自由度の高い仕事も出来ることが特徴です。残業もほとんどなく、職員間の派閥もなく、無駄な揉め合いもほとんどない職場だと思います。働きやすい環境であるからこそ、長く在籍している方が多いことも強みです。皆さま、風花会を一度見に来られては如何でしょうか。

他にもこんな記事があります

写真
2023年2月14日12:06
  • サブリーダーインタビュー(か...
  • 風花会へ入社し気付けば9年経過しております。まずは高校時代に遡りますが、高校では介護を専攻し、介護福祉士...

写真
2023年2月14日12:00
  • 特養副主任インタビュー(かざ...
  • 私が介護業界に入ろうと決めた経緯からお話をさせていただきます。大学への進路に迷っていた時祖母が脊髄の病気...

写真
2023年2月14日11:51
  • 介護士インタビュー(浅野)
  • 介護業界に入り気付けば8年経過していました。元々私は、トラックドライバーとしてトータル10年以上運送業界...

写真
2023年2月14日11:47
  • ヘルパー責任者インタビュー
  • 介護業界で気付けば20年が経過していました。高校卒業後の進路では、本来大学へ行き観光産業に就職をと考えて...

写真
2023年2月14日11:15
  • 人事兼総務担当インタビュー
  • 風花会に入社して丸2年が経過いたしました。現在は総務兼労務、人事(広報)担当として業務についております。...

写真
2023年2月14日11:11
  • かざはな園施設長インタビュー
  • 介護業界に携わり20年が経過いたしました。なぜ私が介護業界へ入ることに決めたかを初めにお話しさせていただ...

写真
2023年2月14日10:59
  • 風花会副理事長インタビュー
  • 私が副理事長就任までの経緯をまずご説明いたします。社会福祉法人風花会の理事長は実父である新田 昭仁です。...